
2026年8月14日、有信アクロス株式会社は、「
「樹楽」の加盟施設が運営する施設において、
声明そのものについて、異論を挟むつもりはない。
虐待を防ぐために職員教育は必要だ。
しかし、私は一つの疑問を持っている。
「職員教育」の前に、
ここを問わずに「教育」を語ってしまってよいのだろうか。
私は、この事件が起きた「
その際、同法人の代表であるK氏と電話で面談をした。
そこで説明された夜勤勤務は、
17時30分から翌朝8時30分までのワンオペ。
つまり、夜間を一人で担当する勤務だった。
そして、もう一つ説明されたことがあった。
「休憩は180分」
というものだった。
私は、ここで疑問を持った。
一人しかいない夜勤者に、180分の「休憩」が設定されている。
しかし、その間に利用者に何かあったら誰が対応するのだろう。
一人で夜勤をしている以上、
呼ばれたら対応する。
何かあれば起きて対応する。
事故があれば対応する。
利用者の状態に変化があれば対応する。
それは本当に「休憩」と呼べるのだろうか。
厚生労働省も、
だから私は、
その際、メールで返ってきた回答は、
「手待ち時間は労働時間である」
というものを説明するだけの文章だった。
私は、その回答を読んで、さらに疑問を持った。
もし手待ち時間が労働時間であると認識しているのであれば、
そこで私は改めて問い合わせた。
その際に対応したのがK氏だった。
田村氏からは、
「その回答は完全に間違った運営かもしれないので、少々時間が欲しい」
という趣旨の回答を受けた。
ここで重要なのは、
私は求人への応募者として、法人から勤務条件の説明を受けた。
だからこそ、この一連のやり取りから考えざるを得ない。
今回の事件を、単純に「虐待を行った職員の教育不足」
「教育」は誰に対する教育なのか
介護現場で虐待が起きたとき、私たちはすぐに「
もちろん必要だ。
利用者の尊厳とは何か。
身体拘束とは何か。
虐待とは何か。
認知症の人への対応とは何か。
怒りや苛立ちをどうコントロールするのか。
職員が学ぶべきことは数多くある。
しかし、それだけでは十分ではない。
たとえば、夜間に一人しか職員がいない。
その職員が長時間、利用者の安全を一人で背負う。
休憩とされている時間にも、何かあれば対応しなければならない。
そんな勤務体制があるとしたら、
もちろん、だから虐待が許されるという話ではない。
虐待は許されない。
どれほど過酷な勤務環境であっても、
しかし同時に、
「虐待をした本人が悪い。だから教育する」
だけで問題を終わらせてしまえば、同じような環境の中で、
虐待防止とは、職員の人格を正すことだけではない。
虐待が起きにくい職場をつくることでもある。
ワンオペという「構造」を問う
今回、埼玉新聞の報道では、逮捕容疑について、
この報道から少なくとも、
では、その時間帯、施設には何人の職員がいたのか。
誰が利用者を見守っていたのか。
職員は一人だったのか。
休憩時間は実際にどのように取得されていたのか。
夜間に職員が利用者から離れることができる体制だったのか。
緊急時に応援を呼べる仕組みはあったのか。
そして、その勤務体制について、
こうしたことを検証する必要がある。
仮にワンオペという勤務体制そのものが、職員の精神的・
これは、逮捕された職員を擁護する話ではない。
むしろ逆だ。
二度と同じことを起こさないために、
フランチャイズ本部は「加盟店の問題」で終わらせられるのか
今回の声明には、
「当該施設だけの問題として終わらせることなく」
という趣旨が書かれている。
これは非常に重要な言葉だと思う。
であるならば、虐待防止や職員教育だけではなく、施設運営体制そ
どのような人員配置で運営していたのか。
夜勤を一人で担わせる場合、その根拠は何だったのか。
休憩時間をどのように設定していたのか。
その休憩中、
夜間の緊急時には誰が応援に入るのか。
職員が「一人では無理だ」と感じたとき、誰に相談できるのか。
そして、その勤務体制をフランチャイズ本部は把握していたのか。
これらを明らかにすることこそ、再発防止ではないだろうか。
「正しい運営」の上に教育がある
私は介護現場において、教育を軽視してはいけないと思っている。
しかし、教育には順番があると思う。
まず、法令を守る。
適切な人員配置を考える。
労働時間と休憩時間を適切に管理する。
職員が無理なく相談できる仕組みをつくる。
一人に過度な責任を背負わせない。
そのうえで、虐待防止について教育する。
つまり、
「正しい運営」の上に「職員教育」がある。
運営そのものに問題があるかもしれないのに、職員にだけ「
介護職員も人間である。
疲れる。
眠くなる。
不安になる。
孤独になる。
追い詰められることもある。
だからこそ、利用者の尊厳を守るためには、
問いたいのは「誰が悪いのか」だけではない
今回の事件について、
被害を受けた方と家族がどれほどの苦痛を受けたのか。
そこを忘れてはいけない。
そのうえで私は、もう一つの問いを投げかけたい。
この事件は、本当に「一人の職員が虐待をした事件」
もし、その背景に不適切な勤務体制が存在していたのなら。
もし、ワンオペという運営方法が常態化していたのなら。
もし、「休憩180分」
もし、
私たちは「職員教育」という言葉だけで、
必要なのは、
「なぜその職員が虐待をしたのか」だけではなく、
「なぜそのような勤務体制が存在していたのか」
「なぜその勤務体制が適切だと判断されたのか」
「誰がそれを確認していたのか」
を問い直すことだと思う。
虐待防止とは、職員を教育することだけではない。
虐待が起きる可能性を高める構造を見つけ、
だから私は、有信アクロス株式会社の声明にある「職員教育」
「運営体制の検証」
そして何より、
法令に適合した、無理のない、
そこから始めなければ、「再発防止」という言葉は、








